日本代表国内組の現状と今後への課題

試合の2日前に召集されたのを思えば、
内容を求めるのは酷なのだろうか。
国内組の現状を再認識させられる試合となった。
 
この日スタメンは
いわば国内組ベストメンバー。
東アジア選手権での若手出場が発奮材料となったのか、
今日のメンバーには危機感が感じられた。
それが、開始早々からの積極的な動きに表れる。
マイボールになるやいなや、
後方からの積極的なオーバーラップ。
FWの二人もいい動き出しを見せていた。
これによりイラン守備陣は後手後手に。
そして、加地のゴールへと結びついた。
 
ただそのツケは後半、如実に表れた。
前半の飛ばしすぎがたたり、中盤はガラガラ。
イランにいいように回されていた。
結果的には2−1の勝利となったが、
決してほめられた内容ではなかった。
もしリードされていたら、
そこから点を取りに行く体力が残されていただろうか。
 
 

試合の総括。

攻撃

この日の日本は東アジア選手権と変わらないものだった。
つまり、スペースへの走りこみに支えられたものであり、
ダイレクトパスや連携からの崩しは見られなかった。
しかし、走りこみの攻撃が90分持つわけがない。
後半の息切れがそれを象徴していた。
 
この日のイランはディフェンスラインが高く、
裏に広大なスペースがあった。
さらに中盤でのプレスも甘い。
この2条件が揃ったからこそ、
日本の攻撃が機能したといえるだろう。
 
しかし、W杯でそんな守備をしてくるチームがあるわけない。
一見いいようにも見えた日本の攻撃。
だが、それは見かけだけにすぎないだろう。
 

守備

今後への課題が見られた。
身長で劣る相手に対し、
弱いところを露呈していた。
相手の攻撃に迫力がなかったのは
1トップなのに後方からのフォローが少なかったからであり、
人数が揃うセットプレーでは競り負ける場面が多々見られた。
 
また、ボールを取りに行く位置もあいまいだった。
そのため、個々でボールを追いかける場面が多く、
これがより一層、ボランチへの負担を大きくしていた。
 
ディフェンス陣に関してはレギュラーが出ているわけであり、
この辺りの修正は今後への重要課題といえよう。
 

監督采配

レギュラー組で試合に臨むのはいいが、
もっと早い時間から若手を投入して欲しかった。
あれでは若手のモチベーションが下がってしまう。
後半は全体的に疲れていたのだから、
フレッシュな選手でチームを活性化させるという意味でも
選手交代には疑問が残る。
 

終わりに

表向きは勝ちたいといっていたものの、
実質的には完全なテストマッチ
戦術的な上積みは望めないまでも、
個々の経験値を上げるという意味で
もっと有効に活用してもらいたかった。
このチームでは、
持ちうる能力を発揮することはあっても
能力をより成長させることはできないのだろうか。
そう感じてならない今日の一戦であった。