悲鳴を挙げる代表選手の肉体

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J1・鹿島の日本代表MF小笠原満男(26)が13日午前、都内で12日のFC東京戦で負傷した左足付け根部分の精密検査を受け、左腸腰筋損傷で全治3―4週間と診断された。リーグ戦残り4試合の出場は絶望的で、G大阪と優勝争いを繰り広げる鹿島にとっては痛恨の離脱となった。また、親善試合・アンゴラ戦(16日・国立)に向けた日本代表合宿の辞退も決定的となり、14日にも正式発表される。
4年ぶりのリーグ制覇を狙う鹿島と年内最終戦に臨むジーコ・ジャパンに衝撃が走った。小笠原のまさかの離脱。「リーグ戦の最終節(12月3日・柏戦)も難しいと思う」という鹿島関係者の言葉が、事態の深刻さを物語っていた。
FC東京戦の試合中に患部を痛めた小笠原は、試合後に再び痛みを訴えた。走れるが、キックなど足を上げる動作で激痛が生じる。鹿島側が急きょ手続きをした精密検査で、完全復帰まで約1カ月を要するという最悪の結果が出てしまった。


また、代表選手が1人怪我してしまいました。
と、ここでふと考えて見ました。
他の代表選手はどうだろう?と。
するとGKを除き、ほとんどの代表選手が怪我をしているではありませんか。
していないのは、
所属クラブでレギュラーになれていないか、最近代表になったかのいずれか。
なお、現在怪我を抱えている選手をざっと挙げて見ただけでも次の通りです。
久保、小笠原、小野、福西、遠藤、サントス、宮本、茂庭、加地、
 



原因を端的に言ってしまえば、代表選手は1年中休みがないからでしょう。


昨日の相馬選手引退のところにも書きましたが、
代表選手はまったく休みを取れないスケジュールが選手の怪我を生み、
さらには選手生命を短くしてしまってるのではないでしょうか?
 
休みがなくなってしまう理由は、大きく分けて2つ挙げられますと思います。
?Jリーグが、ヨーロッパとスケジュール(シーズンの開幕・閉幕時期)が異なること
?アジアサッカー協会主催の試合が
 (UEFAと異なり)FIFAの日程を考慮していないこと
 
?はよく指摘されていることです。
ただでさえ夏に試合をすることは極力避けられているのに、
日本の夏はさらに高温多湿ときています。
これではJリーガーの体はきついでしょう。
疲れは2・3ヶ月経って出ると言いますから、
先月・今月に怪我人が増えているのも必然的と言えるのかも知れません。
Jリーグとは、そもそも日本代表強化を目的として設立されたもの。
それなのに、代表選手を苦しめるスケジュールを組んでいるのは不思議でなりません。
雪国での試合が大変だから、
という理由で欧州のスケジュールに合わせるのが先延ばしされていますが、
お金には代えられない多くの犠牲を払っていることをもっと自覚しなければならないでしょう。
 
?は、UEFA主催の大会(ヨーロッパ選手権)及び各大会の予選が
それぞれ6月と国際Aマッチデーに開かれているのに対して、
アジアカップとその予選は
夏場だったり、国際Aマッチデーでない日にだったり行われています。
これが、欧州で活躍している選手からも
またJリーグで活躍している選手からも、休みを奪っています。
具体的にいえば、
アジアカップやなんとか選手権だったりが7〜8月にかけて行われるため、
本来欧州リーグ所属選手が体を作る時期は丸つぶれ。
やむなく前倒しするしかなく、結果体を休ませる期間はほとんどありません。
また、各種大会の予選を平気で2月に開催するため、
Jリーグ所属の代表選手は1月下旬からキャンプに入ることが日常的。
そこから逆算するに、
完全に体を休ませられるのは天皇杯終了後ぐらいとなるでしょう。
つまり、天皇杯を勝ち上がってしまうと休みがなくなってしまうという
なんとも矛盾した日程が組まれているのです。
「2ndの鹿島」という言葉がありましたが、
それも実のところ、天皇杯の疲れが残っているため
(鹿島は、ほとんどの場合上のほうまで勝ち上がっていた)
どうしても1stではコンディションが上がらない、
というのが正直なところだったのかもしれません。
 
以上のように、現在の代表選手にはしっかりと体を休める期間がありません。
せっかく代表を目指して頑張っているのに、
いざ選ばれて定着していくに連れ、気づいたら体が重くなっている。
でも、クラブでの試合も休むわけにいかず、
知らず知らずのうちに疲労は蓄積され、これが大きな怪我の温床となってしまっている。
そして怪我が発生すると長期離脱をよぎなくされ。
まだ若ければいいものの、
ベテランの域に達していると、代表はおろかクラブチームでもレギュラーの座を失いかねない。
そんな悲しいレールが引かれているような気がしてなりません。
昨日の話に戻ってしまいますが、
相馬選手がこの最たる例だと思います。
気づいたらどこもかしこもおかしくなっていて「100%でプレーできなくなっていた。」
 
僕は鹿サポなので小笠原をずっと見ていましたが、
彼がだましだましプレーしていたのは最近に始まったことではありません。
もう一ヶ月以上前からそんな状態でプレーしていました。
怪我をして、さらにはチームも終盤戦ということで、
やっと休むことができるのです。
これが一ヶ月前の怪我だったら、ちょっと前から無理してでも出ていたでしょう。
まるで現在の宮本のように。
 
たしかに、スポーツ選手に怪我は付きものです。
年齢を重ねていけば
それ相応に怪我をかかえながらプレーしていくのもしょうがないでしょう。
でも、自然発生的なものと人為的に生じるものとは明らかに異なります。
日本サッカー界の将来、さらにはアジアサッカー界の将来を見据え、
どうすれば発展していくのか、再度見つめ直すべきではないでしょうか?