エル・クラシコ

XAVI2008-12-14

08/12/13@カンプ・ノウ

スコア

バルセロナ2−0レアル・マドリー
'83エトー '90+2メッシ

総評

やはりクラシコは別物でした。勝ったバルサもさることながら、よく1週間でここまでもってきたレアルをたたえたいと思います。この試合に対するコンセプトは明確でしたし、意思統一もなされていました。カシージャスは前半から時間稼ぎをしていたぐらいです。ダニエス・アウベスの裏をドレンテが狙う、というのも当たっていました。実際、ドレンテがチャンスを決めていたら結果は逆になっていたかもしれません。また、前半途中にスナイデルに代わって入ったパランカは切れのあるドリブルを見せ、今後への期待もできそうです。チーム状態の悪化が伝えられていましたが、けが人も早い人は年明けに帰ってきますし今後は徐々に建て直しが図られてくると思いました。やはりファンデ・ラモス監督は敏腕です。
バルサも今回はホームでの試合だったので勝ててよかったです。ただ、引かれた相手を崩す術はやはりメッシ個人に負うところが大きいです。エトー、アンリ、グジョンセンはいずれも使われるタイプなだけに、もう1枚ゲームメイカーが欲しいです。セルジ・ブスケスはタイプとしてはそうだったので、イニエスタが帰ってくるまではもう少し起用を増やしてもいいと思いました。しかし、ペップの希望で獲得したはずのケイタの使い道が現状ではあまりないのは残念ですね。
これでバルサは5位レアルとの勝ち点差を12にし、2位とも多少離しています。まだ半分も終わってないので早いですが、今シーズンは優勝してもらいたいです。
 
スペインsport紙の写真集。いつまで掲載されているのか分かりませんがあしからず。
http://www.sport.es/galerias.asp?idioma=CAS&idgaleria=1099&idfoto=21087&index=1
 

試合の流れ

戦前の予想はバルサ優位でしたが、それでもなにが起こるかわからないのがクラシコ。サッカーファンとしての期待感と、バルサクレとしての一抹の不安とともに観戦しました。
バルサはいつもの4−3−3。怪我のイニエスタを除いてはベストメンバーです。一方のレアルは監督交代に伴い、布陣も4−4−2に変更。中盤はダブルボランチ+サイドMF。ディフェンスラインも左にメッシ対策としてセルヒオ・ラモスが入りました。
序盤からレアルはしっかり守ってカウンター狙いのサッカー。バルサがGKぐらいまで下げたときは前線から激しく追いかけるのですが、いったん引くとFWもセンターラインより自陣内に入ってディフェンス。オフェンシブMFぐらい、積極的にディフェンスをしていました。同サイドのサイドMFはディフェンスラインまで下がることもあり、5バックに近かったです。その前にダブルボランチはもちろんのこと、場合によってはFWがボランチの前をケア。まるで10人になってしまったときのチームのように、徹底して引いたディフェンスをしていました。反面、逆サイドのサイドMFはやや高めにポジショニングさせていて、カウンターへの起点を戦術的に作り出していました。チームとしてのコンセプトははっきり見てとれました。
対するバルサは、さすがにここまで引かれてしまうとなかなか相手を崩せず。それでもメッシが右サイドからドリブルで切り込んでいってのチャンスメイクをしていました。またアンリもサルガド相手ということでサイドの攻防を優位に進めていました。ただそれも相手が引いてしまっていてはきっかけを見出せず。特に中央のエトーは消えている時間が非常に多かったです。ゲームメイクできるのがシャビだけ、パスを出せるのもシャビとトゥーレ・ヤヤぐらいではがっちり引いて守る相手を崩すのは厳しいです。イニエスタ不在が響きました。
先に決定機を迎えたのはレアルでした。ドレンテがスルーパスから抜け出してGKと完全に一対一に。が、これはビクトル・バルデスがなんとかセーブ。それ以外はそこまで大きなチャンスはいずれにもなく前半終了。
後半に入るとバルサはメッシを中央に配し、エトーをサイドへ。が、これでメッシはドリブルがしずらくなってしまい逆効果でした。レアルはメッシに合わせてセルヒオ・ラモスをSBからCBに。ただ、前半から飛ばし気味だったレアルは、後半も半ばくらいから中盤でのプレスが甘くなり出しました。このタイミングでバルサグジョンセンに代えてセルジ・ブスケスを投入。これがすぐに結びつきます。
中盤のワンツーからブスケスが抜け出すと、サルガドが付いていけずたまらず止めてしまいPKに。キッカーはこの日、いいところどころか、ボールにもあまり触れていなかったエトー。リズムが作れているのか心配してみていたのですが、カシージャスにドンピシャで止められてしまいました。
その後も休むことなくバルサは攻勢に出ますが、レアルの引き分けでOK、あわよくばカウンターでゴールを、という割りきりが時間とともに色濃くでてきて、シュートも簡単には打てませんでした。レアルは時間の経過とともにやや守備的な交代をしていき、中盤でのプレス維持を図ります。そんな中、後半38分、CKからプジョルがなんとか落とすとそれをエトーが押し込んでゴール。さきほどのPKを帳消しにできたからか、それともクラシコだからか、すごい喜びようでした。
すでに3人の選手交代を終えていて、引き分け狙いだったレアルは攻めるにも攻められる人が足りず。ただ負けているため守ってばかりもいられずなんとか出て行くのですが、逆にロスタイムにバルサがカウンターからゴールを決め勝敗は決しました。