CL決勝・ついに3冠達成!

XAVI2009-05-28

09/05/27@スタディオ・オリンピコ

スコア

バルセロナ2−0マンチェルター・ユナイテッド
'10エトー、'70メッシ

感想

まるで映画を見るかのように、いつになく静かに見た。先の読めない展開で、それをじっと見守って。得点シーンではそれなりに吠えたが、されど気持ちは浮かれず。筋書きのないドラマを堪能させてもらった。
試合が終わっても、準決勝のときのような勝ったという実感がなく。表彰式を見て、徐々に実感。そしてすぐさまメッシユニを手配(笑)
振り返ってみれば、スペイン勢としては初の3冠。今シーズンがクラブ史に残ることは間違いない。歴史の証人になれたと言ったらおおげさかもしれないが、ひとつの理想形のフットボールを終始貫徹してくれたと思う。
このメンバーと、このメンバーをまとめあげたペップにただただお礼を言いたい。本当に素晴らしいチームだった。

一言で

立ち上がりこそ苦戦するも、終わってみればスコア以上に内容でも圧倒。

寸評

バルサはダニ・アウベスとアビダルが出場停止だったが、それが逆に吉と出た。特にプジョルが右SBに入ったおかげで守備が安定。ダニ・アウベスだったら、ルーニーやC・ロナウドにいいようにやられていた可能性が高い。プジョルも元来は右SBということで、実は攻撃能力もそこそこある。それが2点目につながっていた。
この試合で一番大きな転機は、メッシとエトーのポジションを交代させ、メッシを2ラインの間においたこと。これにユナイテッドは対応できず、結果メッシを好きにさせてしまった。ここにシャビ、イニエスタが絡み、この3人でゲームメーク&ポゼッション。特に3人ともキープ力が高いので、そこでいい変化ができたしボールを落ちつけられた。
両サイドがうまく彼らに使われるように動き、空いているスペースを探して入り込んでいく。後ろもピケ、ヤヤ・トゥーレから早いフィードがある。落ち着いていくとともにどの選手も持ち味を発揮していた。
ユナイテッドサイドから見ると、立ち上がりの早いプレスはよかったものの、予想以上に早くそれが切れてしまった。そして中盤が薄い分いいように回され、ボール奪取までで疲れてしまっていた。前線はなかなかボールがこないから徐々にイライラで空回り。まさに悪循環だった。
運動量のあるテベスを入れるも、かなり守備に追われる。そこで中盤を削ってベルバトフを入れた時点で、よりバルサにポゼッションの余裕を与えてしまった。テベスが守備のケアに追われ、せっかくの2トップも逆効果に。
こちらはフレッチャーが出場停止で、代わりに中盤にギグスを入れた4−3−3が失敗に思えた。それなら4−4−2でダブルボランチにするなり、ギグスよりも運動量のある中盤の選手を入れてひとまずは抑えるところから入り、後半からギグスを投入のほうがいいように感じた。ユナイテッドは普段ほとんど見ていないので、他の選手のことはあまり分からないのだが。
1失点して相手が引き気味になってもそこからでも攻められるバルサと、引かれると厳しくなってしまうユナイテッド。さらには選手自身もそう意識してしまうところに大きな違いがあると思った。共にFWはすごいと思うが、そこに至るまでの中盤の構成力の重要性をクローズアップしてくれた試合だった。

試合の流れ

序盤、ユナイテッドが高い位置からプレスをかけて、奪ってからのカウンターも狙う。バルサは落ち着いてボールをキープできず、ユナイテッドが押せ押せ。が、バルサはここをしのぎ、またエトーを右に出し、メッシを中央のやや低い位置に持ってくると、すぐにそこに収まり、イニエスタが絡んでからエトーへラストパス。ここからエトーが決め、あっさり先制。そして試合の流れもひっくりかえしてしまった。
その後はユナイテッドに慌てたプレーが目立つ。プレスもかかりにくくなり、徐々にバルサがポゼッションを高めるように。単発でC・ロナウドがドリブルからシュートへと持ち込むが決まらず。バルサペースのまま前半終了。
後半の立ち上がりからユナイテッドはテベスを投入し攻撃に出るが、相変わらず中盤のプレスが弱くボール奪取に苦労。C・ロナウドを左に持ってくるも、プジョルにほぼ抑えられてしまう。早めにベルバトフを入れるも、中盤のプレスが弱くなってしまい逆効果。時間は経つばかり。
そんな中盤でシャビが持つと、余裕をもって中のメッシへクロス。ファーディナントの裏を取り、逆サイドへとふわりと流し込みゴール。
2−0になっても気を緩めず、あわよくば3点目を狙いに行く。ユナイテッドもある程度リスクを攻めるが、クロスはことごとく跳ね返される。
そしてそのまま試合終了。終わってみればバルササッカーを世界へと発信した試合となった。

メンバー

バルセロナ:4−3−3>
FW:アンリ(72分→ケイタ)、メッシ、エトー
MF:シャビ、イニエスタ(90+2分→ペドロ)、セルジ・ブスケス
DF:シウヴィーニョ、ピケ、ヤヤ・トゥーレプジョル
GK:ヴィクトル・バルデス
ベンチ:ボージャングジョンセン、ムニエサ、カセレス、ピント

マンチェスター・ユナイテッド:4−3−3>
FW:ルーニー、C・ロナウドパク・チソン(66分→ベルバトフ
MF:ギグス(75分→スコールズ)、アンデルソン(46分→テベス)、キャリック
DF:エブラ、ヴィディッチ、ファーディナント、オシェイ
GK:ファン・デル・サール
ベンチ:ナニ、ジョニー・エバンズ、ラファエウ、クシュチャク