収穫と課題が得られたラトビア戦

今回は日本戦ということで
みなさん試合を見ていると思うので、
総括のみにします。

簡単なまとめ

総括があまりにも長くなってしまったので簡単にまとめました。
?攻撃面
中盤はそれなりに機能するもゴール前を固められ苦戦。
SBがうまくからめなかったことで余計に苦しく。
?守備面
速攻対策はうまくいったものの、
高さに対して弱いのは相変わらず。
セットプレーに対する守備も甘かった。
?采配
いつものことながら選手交代が遅い。
また、投入したい選手がサブに入っていないことも。
選手選考に落ち度があった。
 
以下、総括となります。

総括

攻撃面

この日の中盤は機能していた。
ただしそれも、後半の始めまで。
マイボールにしてからの
縦への攻撃にはスピードがあった。
しかし、あれだけ動き回るサッカーを続けていては
最後まで持つわけがない。
案の定、後半の途中から息切れ。
それでも攻めの形は変わらないため、
次第に相手ペースへとなってしまっていた。
いくらなんでも、
たまにはDFラインで回すなり
あえて中盤でタメをつくってゆっくり攻めるなりすることが必要であろう。
あれだけの選手が揃っていたのだから、
誰かがそれをやって欲しかった。
とはいえ、DFラインでの球回しが不安定だったのも事実。
少しプレスをかけられただけで慌てていた。
あれでは試合を落ち着けることができない。
ワールドクラスになれば、多少のプレスでもうまくかわすことができるだけに
ここは世界との違いなのだろうか。
現代サッカーでは、DFは守備だけできればいいというわけではないのだが。
また、両SBのクロスの質もあまりよくなかった。
始めのうちは、中で作ってサイドの選手を使う、
ということも有効かと思えたが、
次第にクロスの質が悪いことをラトビアに見切られ
多少サイドを空けてでも中を固める守りを取られてしまった。
確かに今日の相手DFはやや長身であったが、
世界的に見ればあれぐらいは当たり前。
それでもピンポイントで合わせられるほどのクロスでなければ
意味がないことを痛感した。
あれだけ中では作れているだけに、
外からの攻撃が合わされば相当効果的な攻めになる。
それだけに、SBのクロスの質がどれほど大きな意味を持つかについて
気づかされた。

守備面

相手の速攻に対する守備は及第点をあげていいと思う。
攻撃時にも最低限の人数を残しておく、ということは
しっかりと守られていた。
それよりも問題なのはセットプレー。
相変わらず高さに弱い。
ただでさえ相手のほうが高いのに、
それでいてマークが甘くフリーにしてしまっては守れるはずがない。
日本の場合、セットプレーではマンツーマンで守っているため
組織うんぬんは関係ない。
Jリーグでは激しい当たりに対して過保護になっていることが
弊害となって出てしまっているのだろうか。
どうしてこうも弱いのかは分からないが、
もっときっちりとした守備をしていかないと同じ失敗を繰り返すだけだ。

采配

意図したのか否かは分からないが
今日のスタメンはうまくバランスの取れた選手起用であった。
ただし、その後がよくない。
中盤の運動量が落ちてきた中で
4−4−2から3−5−2にしたのは大きな間違いであった。
というのも、
これにより日本の中盤、特にセンターが薄くなり
今まで以上に中盤の運動量が減ってしまったからだ。
事実、この交代を境にラトビアに押し込まれるようになっていた。
今までなんとか中盤でこらえていた攻撃を
抑えきれなくなったのである。
それに加え、相手に競り勝てないDF陣。
これでは押し込まれて当然である。
さらに言わせてもらえば、
タメをつくることのできる中村と松井を下げてしまったのも間違い。
あれで攻撃も速攻しかできなくなってしまった。
少なくともどちらかは残し、ヒデを下げるべきであった。
またもう1点指摘したいことがある。
それはなぜあの場面で、サントスを投入したかということ。
あれでは3−5−2にした狙いが
より攻撃的にしたいのかそれとも守備的にしたいのか、
メッセージが伝わってこない。
あの場面で、守備的なサイドの選手もしくはボランチを入れたのなら分かるのだが。
ただこれは
実は選手選考の時点までさかのぼらなければならない。
というのも、あの時点でボランチができる選手は残っておらず、
サイドができる選手もサントスか村井だったのである。
どのポジションも2人ずつ入ってはいたのだが、
左サイドは攻撃的な選手のみ。
同タイプの選手を選んだ意味が分からない。
ここで守れる選手がいれば、違った展開になっていたのではなかろうか。
最後に坪井の投入について。
別に彼のパフォーマンスどうこうを言いたいわけではないのだが、
高さ対策であったなら箕輪でも良かったと思う。
どうせ急造のDFライン。
ならば連携も関係ないわけだし、純粋に高さに強い選手でいいはずだ。
ここにも、選手選考の疑問が残る。
 
というわけで、思いのほか長くなってしまったが、
今日感じたことは以上の通り。
いろいろと指摘してきたが、
全体的に見ればホンジュラス戦より良くなっていたと思う。
攻撃はコンフェデのときのようなリズムが感じられたし、
守備でも速攻でやられることはなかった。
それなりにうまく行っていたのだから、
次のウクライナ戦も今日のスタメンをベースに調整していってもらいたい。
特に左サイド!
クロスには相変わらず失望させられたが、
それでもDFとして見れば最低限の仕事はできていた。
このままのほうがチームに安定感が出てくれると思う。
右に関していえば、三浦アツ辺りも試してもらいたい。
 
いずれにせよ、それなりに収穫と課題の見つかった意義ある一戦であった。