スイスvsフランス

共に勝ち点16で首位を争っている両チーム。
どちらにとっても負けられない試合となりました。

スタメン

この日のフランスは4−2−3−1。
並びはすべて左から。
FW:ヴィルトール
MF:マルダ、ジダン、ドラソー
   マケレレヴィエラ
DF:ギャラスブームソンテュラム、レベイエール
GK:クペ
なお、アンリとトレゼゲは怪我のため欠場。

試合の流れ

フランスはアウェイということでやや守備的。
攻撃に移っても、ボランチはふたりとも上がらず。
ほとんど前の4人に任せる。
そのため攻撃に迫力がなく、次第にスイスペースに。
スイスはサイド攻撃を中心とし攻め立てる。
しかし、中の守りが厚いためシュートに至らず。
守備面では、ジダンをしっかりマーク。
フリーにさせる場面は一切なし。
こんな展開で前半は終了。
 
後半、
フランスは頭からやや控えめであったヴィルトールに代え
ガンガンいくタイプのシセを投入。
この交代がすぐに当たる。
フランスのフィードに対しスイスのDFとGKが譲り合う。
これをシセが見逃さず、見事にゴール。
あっけない形から先制点を奪う。
この後、ホームのスイスが積極的に攻撃を。
攻撃的な交代を交えながら、
なんとかフランスディフェンス陣をこじあけようとする。
しかしボールは支配するものの、
前半同様、なかなかシュートまで行けず。
一方のフランスも、守備的になっているため追加点を奪えず。
攻めるスイスに守るフランスという図式となる。
そんな中向かえた、後半34分。
フランスが珍しくゴール近くでファウル。
これをスイスがゴール前へ強めのクロス、
最後はフランスDFに当たりゴールへ。
これで1−1の同点となる。
残り10分。
勝てばグループ突破に大きく近づくフランスであったが、
戦い方は変えなかった。
ボランチの2人が上がることはなく、むしろ守備を固める。
スイスも流れの中から相手を崩すことは出来ず、同点のまま試合終了。

総括

この日、最大の注目点は怪我上がりのジダンがどこまでできるかであった。
ジダンは最後までプレーしていたが、ボールタッチは少なし。
この理由は2つ。
1つはジダンの動きにキレがなかったこと。
もう1つは、回りがあまりジダンを使わなかったこと。
1つ目に関していえば、
まるで流しているかのような動きが多かった。
守備をしないのはもちろんのこと、
攻撃時にもダッシュすら見られなかった。
まるでJリーグでやっていたジーコのような感じ。
これではボールが来てもすぐにプレスされてしまうのもやむなしか。
2つ目については、
もちろん回りがジダンを嫌っていたというわけではなく
フランスの攻撃がサイドを意識したものになっていたから。
つまり、サイドの選手がフリーであればすぐにそちらにパスを出していた。
中央突破はほとんどなく、
サイドハーフサイドバックの2人でサイドを崩す、
という形ばかり。
その上1トップなのだから、
フランスが流れの中から点が取れないのも納得。
ジダンが生きた場面はひとつもなかった。
あえていうならば、ピッチにいること自体が
チームメイトに安心感を与えていたのだろうか。
それほど個々の選手は伸び伸びとプレーできていた。
次は格下のキプロスだけに、どうにか2位以内は確保できそうだ。
ただし1位通過できるかどうかはスイスvsアイルランド戦の結果次第。
プレーオフに回る可能性もあるが、
正直、チームの出来を見るにプレーオフ出場も妥当かと思われた。
ジダンが復帰して甦ったかのように思われがちだが、
フランスの迷走は依然として続いている。
 
最後にスイスについてもコメントを。
とりわけ目立った選手がいたわけではないが
個々の選手は一定以上のレベルにあった。
やはりオーストリアのように、全員で攻撃も守備もするチーム。
次はアイルランド戦。
引き分けでも2位以上が確定するが
激しい試合になるのは間違いないだろう。
対するアイルランドも勝てば2位に滑り込める。
面白い試合になることは間違いない。
致し方のないことだが、中継がないのが残念でしょうがない。