まさにアウェイだったウクライナ戦

 

スタメン

ウクライナ
→実はウクライナのスタメン、日本代表でいうところの控え組だった。
週末から各国でリーグ戦が始まるだけに、
クラブチームとの兼ね合いもあって主力選手は温存したのだろう。
というわけで、シェフチェンコの高熱もかなり疑わしい。
うまくウクライナ協会にだまされたといったところか。

試合の流れ

日本代表戦につき省略。

マン・オブ・ザ・マッチ

稲本潤一
→10人になったあとも中盤を広くカバーしていた

総括

意外と強かった「控え組」

ウクライナのスタメンが控え組と知り、試合開始前にがっかりしてしまった。
これでは強豪とのテストマッチにはならないではないか、と。
しかしそれはいい意味で裏切られた。
おそらくチームとしての戦術に共通理解があるのだろう。
守備のときは
MFが横に並ぶ4−4−2なのに対し、
マイボールになるとすぐに切り替えて
ボールサイドのSBとSHがあがり3−4−3となるのが
あまりにスムーズなのには驚かされた。
おまけにみんなキープ力があり、一対一に強いと来ている。
そのため日本は2人、3人と囲んでもボールを奪えず。
逆に空いた選手がでてきてしまうため、いいように回されていた。
これほどキープ力がある選手が揃ったチームも珍しいのではなかろうか。
 
また、日本は中盤がボールサイドに寄るため、
逆サイドをうまく突かれることもあった。
これも左SBに爆弾をかかえる日本にとって脅威となった。
 
さらに前目の選手のポジションが流動的。
うまく連動してポジションチェンジをしていたため、
捕まえきれずにフリーにさせてしまう場面も見られた。
控え組でこれだけできるのだから、
レギュラーがでてきたらどうなるのか?と思わされてしまった。

押し込まれ続けた日本

たまにボールを奪う日本だが、
攻撃に移るとすぐにまた奪い返されていた。
これは柳沢も高原も、ボールのキープ力があまりないからである。
だから囲まれてしまうとどうしようもない。
中盤以下が押し上げる時間も作れないからどんどん前2人と後ろとの距離は開き、
悪循環に陥っていた。
そういう意味では、後半からキープ力のある鈴木隆行を投入したのには納得。
これでいくらか流れを戻しつつあった。
とはいえそれでも中盤が押し上げるには不十分。
そのため攻撃は単発的なものに終始した。
これは攻撃が機能しなかったというよりも、
守備時に押し込まれすぎたことが原因といえよう。

退場で逆によくなった日本の守備

この試合のレフェリングはひとまずおいておくとして、
後半8分中田浩二が退場。
残り30分余りを10人で戦わざるをえなくなった。
すかさずジーコは柳沢を下げ、箕輪を投入。
システムも3−5−1(実質的には5−3−1)に変更。
これが見事に当たった。
というのも、昨日のウクライナのサッカーをよくよく見て見ると
例えて言うならドイツサッカー。
つまり、基本的に空いた選手パスをつなぎ
ゴールを目指していくというもの。
そのため、サイドからの攻撃が中心となっていた。
だが、日本が5バックになったことにより
サイドにスペースがなくなってしまった。
実はドリブル突破はそれほどされていなかったため、
中央攻撃もそれほど効果的ではなかった。
ひとり少ない分、バイタルエリアが空いてしまうことも合ったがあれはやむをえまい。
それがなければ、スペースさえ与えなければなんとかなるのでは?
という可能性を感じた。

日本の守備陣、今後への課題

今までは相手を打開すること、つまりは攻撃面ばかりクローズアップされていたが、
この試合ではむしろ守備での課題が浮き彫りになった。
今までの4−4−2よりも今回試した4−3−1−2のほうが
中盤の守備に関してはいいと思える。
というのも単純に俊輔は攻撃に専念できるし、
守備時には3ボランチ気味になれるから。
実はこの布陣、考えて見ればミランとまったく同じだったのだが。
ミランも、セードルフガットゥーゾという運動量豊富な選手がいるからこそ
機能する布陣。
その点、日本もヒデと稲本の運動量はかなりのものなのでうまく行きそう。
ただ問題なのがSB。
というのも、サイドから中央へと横方向のドリブルが見られたが、
これへの対応はよくなかった。
このとき、SBにもボランチのようにある程度
中を守ることが求められるし、ボランチもサイドに空いたスペースをケアしたい。
が、これがサントスにはできていなかった。
ミランカフーカラーゼがある程度、中のケアもできるからこそ
相手のポジションチェンジに対応できている。
そういった意味では、
左SBはボランチができる中田浩二が適任に思える。
確かに攻撃面には物足りなさを感じるが、まずは守備から入るべきだ。
特に格上相手の場合は特にそうである。
前線であまりタメが作れそうにない現状を見れば、
サイドバックはほとんど上がる機会がないであろうし。
そして運動量のある稲本はサイドハーフにおいたまま、
ボランチは守備の強い福西辺りでいいのではなかろうか。
そうすると小野が余ってしまうのだが、
彼の守備力や運動量からすると
ジョーカーとしてベンチにおいておくのがいいだろうと思われる。

レフェリー

やはりこの試合で、避けては通れない問題であろう。
この日のレフェリングは明らかにウクライナ寄りだった。
まるで2つの基準をチームによって使い分けているかのように感じたほど。
ただ、これを単純に主審が悪かった、で終わりにしたくない。
なぜならば、WCにおけるレフェリングでも
あいまいな判定基準になることはありえるからだ。
やはり日本はサッカー界においてまだまだ発展途上国なのである。
だから、アジアでは有名でも
そこから一歩出てしまえば、どこの国?、といった感じで見下されてしまいうる。
そのため、ジャッジも厳しめになることも。
その対策として、主審の癖や判断基準を早めに感じ取り、
それに合わせたプレーをしてもらうことを望む。
これは意識していけば、比較的容易に解決できることのはずだ。

まとめ

今回の東欧遠征。
世界との距離を再認識するにはいい機会となった。
これを今後にしっかりと今後に生かしてもらえれば、
予選突破も見えてくるはずである。
逆にこのまま行ってしまうと、98フランスのように数字の上では惜敗、
といった試合が続いてしまうだろう。

実況・解説&インタビュアー

いつも地上波でサッカーを見るたびに思うところはあったのだが、
今回ばかりは隠れて話題に上っているとあって言及することにした。
実況はいつもよりはおとなしくてよかった。
WCはおそらくスカパーで見るだろうから、
個人的にはうるさい実況は回避できそうだが。
ちなみに情報元はいえないが、
テレビ朝日いわく「角澤最高!」とのこと。
残念ながら、上がそう思っている以上大きな改善は見られないだろう。
むしろ、われわれにとっての改善は、彼らにとっての悪化になるかもしれないし。
また松木も感情的にならなければ、一応解説者らしきことを言えるのだと分かった。
といっても、精神論が多いのはどうかと思うが。
それと今、隠れて話題となっているインタビュアー。
今回はヒデメールを読んだのか、見違えるようによくなっていた。
この短期間にあそこまで改善できたのは素直に評価してあげたい。

日本サッカー協会

今回のマッチメイクをした日本サッカー協会の落ち度は大問題です!
どうして試合の契約条項に、
レギュラークラスを先発起用させる、とか
直近の国際Aマッチ5試合のうち3試合以上に出場した選手を8人以上先発させる、
といったようなことを加えなかったのでしょう?
こんなことではいけないと思い、JFAに抗議のメールを送ろうしたのですが、
JFAのホームページに受付アドレスはなし。
どうにかしてこの意思を伝える方法はないのでしょうか?