圧勝だったバルセロナ


やりました!
勝ちました!
しかも3−0という結果と共に、内容でも圧勝だった一戦!
と、今日は久々に感情移入してしまったので、
試合もいつもほど冷静に見ていられませんでした。
というわけで、いつもより質が落ちるだろうと思いますが、
覚えている範囲内で書いていこうと思います。

ゲームに入る前に

エル・クラシコ
それはスペインにおける伝統の一戦
スペインダービーといってもいいほどの戦い。
両チームの状態や順位に関係なく、毎回熱い試合が繰り広げられる。
そして今回も、
スペイン代表が1stレグでWC出場を決定的とするや、
各紙は代表そっちのけでエル・クラシコを特集。
いまや、スペインのみならず、
世界中から注目を浴びる一戦なのである。

スタメン

レアル・マドリード(4−4−2)

FW:ロビーニョロナウド
MF:   ラウル
   ジダン  ベッカム
    パブロ・ガルシア
DF:ロベルト・カルロスイバン・エルゲラセルヒオ・ラモス、ミシェル・サルガド
GK:カシージャス

バルセロナ(4−3−3)

FW:ロナウジーニョエトー、メッシ
MF:デコ、シャビ、エジミウソン
DF:ファン・ブロンクホルストプジョルマルケス、オレゲー
GK:ビクトル・バルデス

試合の流れ

前半

立ち上がり、ホームのレアルが押す。
高いプレスはもちろん、バルサ両SBの裏を意図的に狙う。
しかし、このフィードを恐れずバルサはラインを下げずに対応。
逆に1ボランチのレアルは中盤が空き気味に。
特にレアルにとっての左サイド、ジダンロベルト・カルロスは、
ロベカルが上がってしまうと怪我上がりのジダンでは守備まで手が回らず。
そこをメッシが見逃さず、スピードに乗ったドリブルを繰り出す。
そして15分、メッシのドリブルから始まった攻撃で
最後はエトーがシュート。
カシージャスの反応も及ばずゴールネットを揺らした。
 
この後、試合はバルサペースに。
ジダンの動けないレアルは、どうしても中盤で劣勢に。
右サイドだったベッカムをやや絞り気味に位置取りさせるも、
いかんせん、前からのプレスはラウル頼みなのでどうしようもない。
また、バルサの攻撃は特にキープレーヤーを置かずどこからでも始まるので、
右から左から攻め込んでいた。
ここから前半終了まではよく覚えていないのだが、
逆に言えばそれほどバルサ攻勢だったということだろう。
ゴールには結びつかないまでも、バルサがいい雰囲気でハーフタイムを迎える。

後半

後半になると、立ち上がりからレアルが攻勢に。
全体的に高い位置をキープし、早めに追いつこうという姿勢が見られる。
対するバルサはしっかりと受けに回り、
しばらくはいかにレアルがくずしていくかという図式に。
何度か鋭いクロスが入るものの、
悲しいかな、レアルのFW陣は背が低い。
そのため、中で待ち構えている相手に対し、
ゴールを奪うことはできず。
そんな中、バルサが中盤でパスをカットするとロナウジーニョへ。
ここから1人でスルスルと持ち込み、見事なゴール!
この時、時間は後半14分。
レアルがもう一段階、攻撃のギアをアップしようとしていたところを見事に抑え、
さらにはバルサを勇気付ける1点であった。
 
とはいえ、ここで引くわけにいかないのがエル・クラシコ
レアルがより前がかりとなって攻めていく。
運動量の少ないジダンを前に残し、代わってロビーニョがやや下がり目に。
また、ベッカムグティ(負傷したラウルに代わって出場)のダブルボランチとし、
中盤の底からしっかりとした攻撃の組み立てを図る。
これでやっとレアルの攻撃が見え出し(それまでがバラバラすぎた)、
中盤でもバルサがやや受けに回るように。
さらにバチスタをパブロ・ガルシアに代えて投入、
前線の枚数も増やしたややパワープレー気味の攻撃に移る。
もはやジダンすらも前線でのターゲットに。
これでバルサは守備に人数を裂かざるを得ず、
守備的な展開が続く。
こんなこう着状態を破ったのは、また彼であった。
そう、バロンドールが内定していると伝えられているロナウジーニョである。
 
またまたカウンター攻撃で相手を1人2人とかわし、
最後はカシージャスの逆を突いてのゴール(後半33分)。
これでレアルは完全に意気消沈、試合もほぼ決した。
残り時間もレアルの攻めが多いが
この時間帯でのこの点差ではどうしてもピッチが上がらない。
また、個々人のプレーに走ることが多く、
これでバルサ守備陣を崩せるわけがなく。
このまま3−0と、バルサが敵地で見事な勝利を飾ったのである。

マン・オブ・ザ・マッチ

ロナウジーニョ
→カウンターからの2発はまさにお見事。
 大舞台であることを忘れさせてしまうほど、落ち着き払ったプレーであった。

総括

スターティングメンバーを見る限り、
互角とも思える両チーム。
が、コンディションと戦術。
この2点において、決定的な差があった。

コンディション

レアルのロナウドジダンといったところは、
明らかにトップパフォーマンスから遠いものであった。
さらにいえば、元気なロビーニョも気負いすぎて空回り。
そのため、プレーオフから帰ってきたばかりのラウルへ大きな負担がかかり、
さらにラウルが負傷退場してしまうとどうしようもなくなっていた。
反面、バルサのデコも怪我上がりであったがそこそこのパフォーマンス。
またベレッチも、無理をさせず温存させることに。
そのため、11人全員がしっかりと動けていた。

戦術

これは以前から指摘しているとおり。
レアルはやはり、攻守に渡って個々に負う(頼る)ところが多く、
そこを封じられてしまうと打つ手なし。
一方のバルサは、
細かいパス回しからゴール前での早い展開への移行がスムーズ。
守備もプジョルマルケスの読みで早いつぶしができていたし、
それも裏のスペースを任せられるからできること。
両チームの決定的な差は、この戦術性にあると感じていたが、
対戦することにより、その違いが顕著に感じられた。

レアルの今後

この一戦の重みもさることながら、
ここまで内容で負けたとなると建て直しもきついであろう。
なにより、個人に重く依存したチーム状態がよくない。
だからメンバーが代わるたびに、また攻撃の再構築。
しかも怪我人を無理して使ったため、その負担も大きかったはず。
どこかで反動が繰るのではなかろうか。
デル・ボスケ時代のレアルは、もはや見る影もない。
この一戦で負った傷は相当重いものとなるであろう。

バルセロナの今後

あまりにも出来すぎた結果、そして内容。
これ以上、いうことなし。
とはいえ、これまでの試合内容を見るにこれも必然の結果だろう。
左サイドのロナウジーニョも冴えていたが、
右サイドで久々のスタメン出場となったメッシもよかった。
相手の対する中盤がジダンということもあり、
メッシへのマークは緩いもの。
ロベカルひとりで止められるわけがなく、
特に中へ切り込んでのスピードに乗ったドリブルはファウルでしか止められないでいた。
ドリブラーであれば誰しもスピードに乗らせてはいけないのだが、
最初のチェックが甘いことで、メッシがスピードに乗る隙があったといえる。
また、アンカー(ボランチ)にマルケスではなくエジミウソンを入れたのも当たり。
エジミウソンには高さがあるため、
フィードに対しての競り合いでも強いところを見せていた。
彼のロングフィードにはやや疑問符が残ったが、
守備面では十分に及第点の出来をしていた。
 
オサスナが引き分けたこともあり、
これでついにリーガで首位に。
CLも予選突破が決まっており、しばらくはリーガで貯金を作るときか。
なにより、チーム状態に余裕があるのがいい。
戦術もしっかりしていれば、
怪我人も無理をさせずゆっくりと復帰させている。
しかもしばらく代表戦もないと来ていれば、
コンディションが急激に落ちることもない。
あとはうまくターンオーバーできるか。
特に、エトープジョルといったチームの要もしっかりと休ませることができるか。
あえて指摘するならば、これぐらいであろうか。
とはいえ、今は取り分けて大きな心配事もなし。
エル・クラシコでの勝利が
我らがバルサを上昇気流に乗せてくれることは間違いあるまい。
ここまでのリーガでのもたつきをぬぐいさるべく、
エトーのような疾走をバルサにも期待している。