新監督に裁量の余地を!

Jリーグも終了し、
各チーム、来シーズンへのチーム構成に入っています。
そして毎回、同じ疑問を提供してくれます。
それは、来シーズンから新監督になることが決まっているにもかかわらず、
新監督を決める前に選手の移籍マーケットが盛んになってしまうこと。
もっといえば、
新監督の同意を得ずして、場合によっては主力級の選手が動いてしまうこと。
 
名指して挙げてしまうのは申し訳ないのですが、
その最たる例が東京ヴェルディでしょう。
来シーズンはただでさえ長丁場となるJ2での戦い。
そこに来てACLにも出ると言い出した割りに、その裏では次々と選手を放出。
確かに予算が減って厳しいことは分かりますが、
言ってることとやってることとがどう考えても結びつきません。
 
ただ、これは極端な例というだけでして。
他の新監督を迎えるチームでも、すでに選手が動き出してしまっています。
いくら今シーズン戦力外だったからといっても、
それが新監督の目にかなう選手かもしれません。
そんなこと、新監督を決めなければ分からないことでしょう。
それなのになぜ?
 
選手が早く動きたいのは分かります。
むしろ問題なのは、新監督の決定が遅いこと。
そもそも、天皇杯というカップ戦の位置づけがクラブによって曖昧なのも
問題の一因となっているでしょう。
いずれにせよ、
このわるい慣習は早く捨て去られなければなりません。
 
せっかく揃っていた食材を切り売りして
残ったものでなんとかおいしい料理を作ってくれ、と頼む。
時にはシェフお気に入りの食材がなくなってしまっていることもある。
それなのに、それなりの料理ができないと
ダメシェフとのレッテルを貼り、更迭してしまう。
そんなレストランで繁盛することがあるのでしょうか?
同じようなことをする、日本のレストラン同士だったらいいかもしれません。
でも、アジアや世界を見据えると、
そんなことで通用するわけがないでしょう。
 
どんなに最高のシェフでも、
いい食材がなければ作れる料理は限られているのです。
オシム氏も、Jリーグ最終節後の記者会見で
(引用元はJ's GOAL)

まずクラブが一つになって、スポンサーなり、クラブの運営なりがそういう優勝を目指すのだったら、そういうビジョンをクラブ全体で持たないと始まりません。
正直、千葉は各ポジションに質のある選手というのが足りていません。他のチームにいるようないい選手というのは、実際にはいません。まずはそこの選手を実際に連れてこられるかどうか。もしも連れてこられたとしたら、実際に今シーズンの経験を生かして、いかに勝ち点を失ったかということを補って、また一から考えるべきでしょう。そういういい選手がいるチームだとしても、11人の選手が揃っていたとしても、やはりそのレギュラーの選手とポジション争いをするような、質の高い選手がまたさらに必要なわけです。そういうものがないと、やはり試合に出ている選手のパフォーマンスが発揮できなかった時に、競争させる選手がいないだけで、実際にうまくいかないということも起こりうるからです

と言われています。
 
いいクラブはいい経営者から。
これを各クラブのフロント陣に強く認識してもらいたいものです。