ローマvsマンチェスターU


チャンピオンズリーグもすでに準々決勝1stレグ。
その中から、ローマvsマンUの試合を取り上げます。

試合結果

ローマ2−1マンチェスター
'44タッディ(ローマ)'60ルーニー(マンU)'66ブチニッチ(ローマ)

メンバー

ローマ
FW:トッティ
MF:マンシーニペッロッタ、タッデイ('82ロジ)、ヴィルヘルムソン('62ブチニッチ)
   デ・ロッシ
DF:パヌッチ、キブ、メクセス、カセッティ
GK:ドニ
マンチェスター
FW:スールシャール('72フレッチャー)、ルーニー
MF:ギグス('77サハ)、C・ロナウド
   スコールズキャリック
DF:エインセ、ファーディナント、ブラウン、オシェイ
GK:ファン・デル・サール

試合の流れ

立ち上がりから積極的だったのはローマ。高い位置からのプレスと、奪ってからの速攻を繰り出します。トッティを中心としたパス出しから、特に両サイドを使った攻撃へ。ただフィニッシュがいい形にできず得点には至りません。ゴール前で二度のFKも獲得しますが、これは枠へ飛ばず。
とはいえそんな流れで押されていたマンU、前半34分にはスコールズがこの日2枚目のイエローで退場に。ここからローマの攻勢が勢いを増します。
マンUスコールズのところにギグスを入れ、トップにC・ロナウド、両サイドにルーニースールシャールを配置しました。が、ギグスのところが軽く、ここを使われてしまいます。
前半終了間際の44分に、ショートコーナーから最後はタッディに中央で合わせられ先制点を奪われてしまいました。
後半に入っても、試合はローマペース。マンUバイタルエリアを空けてしまうケースが多く、ここを使われてしまいます。トップから下がってきたトッティが中央で持ち、サイドに散らしてからのクロス。この形をローマは何度も作りますが、最後のところで工夫がなく決定機を演出できませんでした。
するとマンUがワンチャンスを物にします。60分、DFが自陣深くで奪ったところからC・ロナウドへパス。ここからC・ロナウドがすいすいと敵をかわし、スールシャールへ短いパス。ここから大外にいたルーニーへクロスを上げると、これを胸でワントラップしてからのシュート。物の見事に落ち着いて決めました。
アウェイゴールを奪われたローマは、これでさらに攻め立てます。そしてそのすぐ後の66分、マンシーニがサイドから中へ切り込んでショート、これをファン・デル・サールが弾いた跳ね返りをブチニッチがダイレクトで合わせてのゴール。あっという間に再度勝ち越しました。
その後も、攻めるローマに守ってカウンター狙いのマンU。ただ、直後の72分にフレッチャーが交代出場しボランチの位置に入ったことで、マンUの守備は落ち着きました。中央をある程度固められたことで、ローマの攻めはサイド主体に。しかし、ここでもクロスからシュートまでの形に工夫が見られずことごとく跳ね返されてしまいました。そしてそのまま試合終了。特に大きなアドバンテージを残さない、ホームが2−1で勝利という結果になりました。

総括

試合はスコールズが退場する前からローマが終始押していました。積極的なプレスから、両サイドを使った攻撃。特に中に一度引きつけてからのサイド攻撃だったので、より効果的なものになっていました。しかし、マンUも最後のところで跳ね返しました。相手が正直にクロスを上げてきたこともありましたが、安定して守っていました。
それでもローマが2点を奪った裏には、積極的な攻撃姿勢、常にゴールを意識したプレーがありました。それが1点目の早いショートコーナーからのゴールや、2点目のこぼれ球からのダイレクトシュートにつながっています。
ホームということでここまでできたのかもしれませんが、ローマのスパレッティ監督はアウェイでも基本的にこのスタンスを変えないでしょう。オールド・トラフォードに舞台を移しての2ndレグも注目です。
対するマンUですが、多くの時間を1人少ない中よく耐え抜きました。アウェイゴールを1つ奪っての負けは、まだまだ分かりません。この日もC・ロナウドには早いプレスで来られなかなか彼を生かせませんでしたが、それでも得点につながったドリブルは見事でした。今回はアウェイということでローマの勢いに押されてしまいましたが、次はホームでの試合。1点取ればアウェイゴールで上回り勝ちとなります。それだけにどこまでローマのペースに飲み込まれず、落ち着いて試合を運べるかが鍵になってくるでしょう。今日の試合ではうまくボールをさばけなかったボランチの2人がどこまで機能してくるかが重要になってくると思われます。
なお今日の試合は、今夜フジテレビで放送があるとのこと。みなさん、その時間で見るなり録画して後日見るなりしてみてはいかがでしょうか。90分間集中がつづいた試合だっただけに、それなりに見ごたえはあると思います。なお特に見所なのは、ローマの積極的なプレスと奪ってからの中と外の見事な使い分けとなっています。