CL決勝・ついに3冠達成!
09/05/27@スタディオ・オリンピコ
感想
まるで映画を見るかのように、いつになく静かに見た。先の読めない展開で、それをじっと見守って。得点シーンではそれなりに吠えたが、されど気持ちは浮かれず。筋書きのないドラマを堪能させてもらった。
試合が終わっても、準決勝のときのような勝ったという実感がなく。表彰式を見て、徐々に実感。そしてすぐさまメッシユニを手配(笑)
振り返ってみれば、スペイン勢としては初の3冠。今シーズンがクラブ史に残ることは間違いない。歴史の証人になれたと言ったらおおげさかもしれないが、ひとつの理想形のフットボールを終始貫徹してくれたと思う。
このメンバーと、このメンバーをまとめあげたペップにただただお礼を言いたい。本当に素晴らしいチームだった。
寸評
バルサはダニ・アウベスとアビダルが出場停止だったが、それが逆に吉と出た。特にプジョルが右SBに入ったおかげで守備が安定。ダニ・アウベスだったら、ルーニーやC・ロナウドにいいようにやられていた可能性が高い。プジョルも元来は右SBということで、実は攻撃能力もそこそこある。それが2点目につながっていた。
この試合で一番大きな転機は、メッシとエトーのポジションを交代させ、メッシを2ラインの間においたこと。これにユナイテッドは対応できず、結果メッシを好きにさせてしまった。ここにシャビ、イニエスタが絡み、この3人でゲームメーク&ポゼッション。特に3人ともキープ力が高いので、そこでいい変化ができたしボールを落ちつけられた。
両サイドがうまく彼らに使われるように動き、空いているスペースを探して入り込んでいく。後ろもピケ、ヤヤ・トゥーレから早いフィードがある。落ち着いていくとともにどの選手も持ち味を発揮していた。
ユナイテッドサイドから見ると、立ち上がりの早いプレスはよかったものの、予想以上に早くそれが切れてしまった。そして中盤が薄い分いいように回され、ボール奪取までで疲れてしまっていた。前線はなかなかボールがこないから徐々にイライラで空回り。まさに悪循環だった。
運動量のあるテベスを入れるも、かなり守備に追われる。そこで中盤を削ってベルバトフを入れた時点で、よりバルサにポゼッションの余裕を与えてしまった。テベスが守備のケアに追われ、せっかくの2トップも逆効果に。
こちらはフレッチャーが出場停止で、代わりに中盤にギグスを入れた4−3−3が失敗に思えた。それなら4−4−2でダブルボランチにするなり、ギグスよりも運動量のある中盤の選手を入れてひとまずは抑えるところから入り、後半からギグスを投入のほうがいいように感じた。ユナイテッドは普段ほとんど見ていないので、他の選手のことはあまり分からないのだが。
1失点して相手が引き気味になってもそこからでも攻められるバルサと、引かれると厳しくなってしまうユナイテッド。さらには選手自身もそう意識してしまうところに大きな違いがあると思った。共にFWはすごいと思うが、そこに至るまでの中盤の構成力の重要性をクローズアップしてくれた試合だった。
試合の流れ
序盤、ユナイテッドが高い位置からプレスをかけて、奪ってからのカウンターも狙う。バルサは落ち着いてボールをキープできず、ユナイテッドが押せ押せ。が、バルサはここをしのぎ、またエトーを右に出し、メッシを中央のやや低い位置に持ってくると、すぐにそこに収まり、イニエスタが絡んでからエトーへラストパス。ここからエトーが決め、あっさり先制。そして試合の流れもひっくりかえしてしまった。
その後はユナイテッドに慌てたプレーが目立つ。プレスもかかりにくくなり、徐々にバルサがポゼッションを高めるように。単発でC・ロナウドがドリブルからシュートへと持ち込むが決まらず。バルサペースのまま前半終了。
後半の立ち上がりからユナイテッドはテベスを投入し攻撃に出るが、相変わらず中盤のプレスが弱くボール奪取に苦労。C・ロナウドを左に持ってくるも、プジョルにほぼ抑えられてしまう。早めにベルバトフを入れるも、中盤のプレスが弱くなってしまい逆効果。時間は経つばかり。
そんな中盤でシャビが持つと、余裕をもって中のメッシへクロス。ファーディナントの裏を取り、逆サイドへとふわりと流し込みゴール。
2−0になっても気を緩めず、あわよくば3点目を狙いに行く。ユナイテッドもある程度リスクを攻めるが、クロスはことごとく跳ね返される。
そしてそのまま試合終了。終わってみればバルササッカーを世界へと発信した試合となった。
メンバー
<バルセロナ:4−3−3>
FW:アンリ(72分→ケイタ)、メッシ、エトー
MF:シャビ、イニエスタ(90+2分→ペドロ)、セルジ・ブスケス
DF:シウヴィーニョ、ピケ、ヤヤ・トゥーレ、プジョル
GK:ヴィクトル・バルデス
ベンチ:ボージャン、グジョンセン、ムニエサ、カセレス、ピント
<マンチェスター・ユナイテッド:4−3−3>
FW:ルーニー、C・ロナウド、パク・チソン(66分→ベルバトフ)
MF:ギグス(75分→スコールズ)、アンデルソン(46分→テベス)、キャリック
DF:エブラ、ヴィディッチ、ファーディナント、オシェイ
GK:ファン・デル・サール
ベンチ:ナニ、ジョニー・エバンズ、ラファエウ、クシュチャク
バルササッカーの世界披露を
気づけば決勝まであと2日。CL準決勝からあっという間という感じです。
懸念されていたアンリ、イニエスタの怪我は、フル出場までは分かりませんが出場はできそう。いるといないとで全く違いますので、これは大きいです。
予想スタメンを。
FW:アンリ、エトー、メッシ
MF:シャビ、イニエスタ、セルジ・ブスケス
DF:ケイタ、ピケ、ヤヤ・トゥーレ、プジョル
GK:ビクトル・バルデス
いつもなら遠征メンバーリストである程度予想がつくのですが、おそらくはけが人も含め全員でローマへと行くでしょう。ただ、大きくは変わらないはず。
ボージャン、グジョンセン、シウビーニョ辺りが状況に合わせて投入されるかと。ペドロ、フレブ、カセレス、ピントが残りのベンチメンバーでしょうか。
勝って3冠を達成してもらいたいのはもちろんですが、それ以上に準決勝で見せてくれたバルササッカーを最後まで貫いて欲しいです。これがバルサ、というのを全世界に披露してもらいたいです。その上で結果もついてくればなおさらいい、ぐらいで。
あとはキックオフを静かに待ちます。
イニエスタユニフォーム♪
※今回は全然レポとかではありません。気ままな日記となっておりますので、気軽に読んでもらえるとうれしいです。
イニエスタユニフォームCLバージョン、
買ってしまいました!
きっかけはいわずもがな、先日のゴールですが、でも前々から今年のバルサ2ndユニが欲しいと思っていて、でも誰にしようか迷っていまして。そこにあのゴールで決まりでした。イニエスタは初めてですが、1枚持っていてもまた買ってしまったかも。それぐらいの勢いと思い入れのあるユニフォームです。ちなみにこれでバルサユニは4人(シャビ、デコ、メッシ、イニエスタ)となりました。全部で10枚ちょっとなんですけどね。非常に偏ってます(苦笑)
先日の試合はメッシユニを着ながら観戦していたのですが、ユニを着ると特別な気分になれていいですね。こちらも一緒に戦っているかのようになるし、試合後はなんともいえぬ充足感があるし。スポーツのシーンではもったいなくて絶対着られないですが、それでも室内でなら気分に合わせていいなぁ、と思いました。
なお、シャビ@08スペイン代表ユニの話もあったりしますが、それはもし今回反応があるようならばまた今度で。でも厳しいのかなぁ。あっちはすったもんだ&とことんやってたりします。我ながらバカだよなぁ、とも思ったぐらいです。
チェルシー×バルセロナ2ndLeg
09/05/06@スタンフォード・ブリッジ
寸評
早々に失点し、中盤には退場で味方を一人失い、それでもスタイルを変えず自分たちのサッカーを貫いたバルサ。そこに強い信念と団結力とを感じた。勝敗がどちらに転んでいようとも、その姿には感銘を受けていただろう。
決勝は両SBが出場停止なため、また違う配置で臨むのは間違いなし。とはいえ、どこまでも飽くなき攻撃と、高い位置からプレスをかける守備のスタイルを変えることはないであろう。たとえそれで勝てなくても、そこにはそれ以上のものがあるのだから。
一言で
チェルシーが堅守を築くも最後に僅かなほころび
試合の流れ
この試合も1sレグ同様、守るチェルシー攻めるバルサ。怪我でアンリを欠くバルサがどうやって打開していくのかと思っていたら、前半早々にエッシェンが見事なボレー。これでますますチェルシーは守備固め。
後半になっても変わらず、バルサは次第に前がかりに。が、アビダルが一発退場になってしまい状況はさらに厳しく。ただアウェイなので、1点取れば勝ちにはなる。そんな中で、1人少なくてもスタイルを変えずに攻め込むバルサ。
後半30分すぎからはCBピケも展開の中でオーバーラップ、両サイドももちろん高めに位置し失点覚悟の攻め。ただ、逆にカウンターからチェルシーに何度か決定機が訪れる。でも守りっぱなしなだけにリズムが悪いのか、決められず。
そうこうしているうちに後半もロスタイムへ。何分なのか分からないが、それでも攻めのスタイルは変わらない。つないで、つないで、とにかく崩しにかかる。後方からのロングボールは一切なし。
そして右サイドからのクロスが流れ、メッシが切り込んでいってから流したところをイニエスタがまさに起死回生の一発!この時間帯にしてチーム初の枠内シュートが、試合も決めた。
私自身も思わず久々に咆哮してしまった。これほどだったのは、あのサンドニ以来か。ジョホールバルのときすら思い出してしまった。それほど心を揺り動かされた。