改善の跡が見られなかった日本代表

ホンジュラスとは?

ホンジュラス」と聞いても漠然としてしまう。
たとえば、
ベネズエラエクアドルホンジュラスと聞くと
どこもたいして変わらないように思えてしまう。
しかしその実力はまったく異なる。
始めの2カ国が南米予選で健闘しているのに対し、
今日のホンジュラスは北中米で最終予選に残れなかったチーム。
格がまるで違うのだ。
しかも前日に来日したばかりのメンバー。
ここまででも、
いかに今の日本代表が力不足であるか分かる。
 

試合総括

<守備>

今日も日本代表はスロースタートであった。
運動量が少ない上、引いて守ってしまう。
国内組が過密日程であることを差し引いても、あまりにプレスが甘すぎた。
だから中盤で自由にボールを回されてしまうし、ミドルも好きに打たれ放題。
W杯レベルの相手だったら、ミドルを決められていただろう。
バイタルエリア(DFラインとボランチとの間)が空き過ぎていた。
 
両SBは守備力のなさを露呈した。
1失点目はオフサイド崩れのもので、
よくよく見ると残っていたのはサントスではなく加地。
いつも4バックでやっているわけではないし
ましてや左SBにサントスが入っているのだから、
オフサイドを取りに行くのはあまりにリスクが大きすぎだろう。
また前々から分かってはいたことだが、
サントスの守備はあまりにお粗末すぎる。
それを誰よりも分かっていたのがチームメイト。
その証拠に、カバーを気にするあまり中を突かれてしまったのが2失点目。
これは、中盤からフリーに走り込ませてしまったボランチの守備も問題だったが。
今日のホンジュラスがどこまで日本を研究してきたのかは分からない。
だが、あれだけ日本の左サイドで好きなようにやられたのを思うと、
本大会では間違いなく同じところを突いてくるだろう。
それに耐えられるだけの守備を、本大会までに築けるのだろうか?
 
また身体能力で勝る相手に対して弱いところも露呈してしまった。
これではスピードのあるアフリカ勢には到底対処できない。
前回は高さに弱いところも露呈している。
この辺に対処する策を早めに打ち出してもらいたい。
 

<攻撃>

中田ヒデがボランチに入ったあとのほうがよくなっていた。
その理由は大きく2つ。
まず、それ以前はボランチが配給役としての仕事ができていなかったが、
ヒデが入りそれができるようになった。
だから守から攻への切り替えがスムーズになった。
もう1つが、ヒデが常に縦へのパスを意識していたこと。
これにより鋭い攻めの起点ができるようになった。
ただし、ヒデがボランチに入るのは諸刃の剣でもある。
守備力を強化するためにも、
福西と組ませるのをファーストチョイスとして挙げたい。
 
なお今日はセットプレーから点を取れていたが
あれはあまりにも相手のマークがお粗末だったから。
まだ及第点だとは言い切れない。
 
また5得点も取れたわけだが、
SBがからんでの攻撃はほとんどなし。
サントスは守備がザルだし、
加地のドリブル、右アウトサイドでのステップフェイントも
ちょっと研究されればすぐに止められてしまうだろう。
それならいっそ、守備がしっかりできる選手を選んでもいいのではなかろうか?
 

終わりに

結局、今までの収穫と課題が改めて浮き彫りとなった今日の試合。
本戦までの残り試合は限られているはずだ。
どういうチームに仕上げていくのか、
その方向性を早いうちに示してもらいたい。